【2020年】動画広告市場の背景
新型コロナウイルスの影響による経済活動の停滞に伴い、業績悪化に苦しむ企業は例年に比べ、大きく増加しました。中でも製造業や小売業・サービス業といった業界は特に大きな打撃を受け、生産ラインの一時停止に追い込まれるほどの事態に直面しました。多くの企業が苦戦を強いられる中で、その市場を大きく拡大させたのが「動画広告市場」です。外出自粛が要請され自宅待機をする人が多くなり、動画を閲覧する人が増えたことが大きな要因です。
他にも、5Gの普及やSNS利用者の増加・コンテンツの質と量の発展など、動画広告市場を取り巻く環境は目まぐるしい速さで変化し、市場の拡大の要因は多岐に渡ります。
また近年、需要が高まっている「ハウツー動画」「ブランディング動画」「縦型動画」においも、その規模は拡大し、企業が動画コンテンツマーケティングを行ううえで、もはや必須のものとして浸透しました。
株式会社サイバーエージェントが発表した、2020年の国内の動画広告市場の調査結果では、2020年の動画広告市場規模は昨年対比114%となる2954億円に達する見通しで、
また、スマートフォン動画広告需要は昨年対比115%の2635億円にのぼり、動画広告需要全体の89%を占める見込みとなることが明らかになりました。今後も動画広告市場の勢いは止まることなく、2024年には6396億円に達すると予想されています。
動画広告市場推計・予測<広告商品別>(2019年-2024年)
こちらは株式会社サイバーエージェントが行った2020年の国内動画広告の市場動向調査の結果です。
引用元:サイバーエージェント、2020年国内動画広告の市場調査を発表
2020年は、企業のブランディング・商品やサービスの認知拡大といった目的だけではなく、直接的にユーザーに購入を促すことを目的とした広告商品の需要が大きく増加しました。
アプリケーションの販売促進を目的とするプロモーションにおいては、動画での訴求が一般化し、コロナ禍における巣ごもり需要を受け、引き続き動画広告の需要増加につながりました。
2020年は、絶大な人気を誇っていたYouTubeやニコニコ動画などの動画プラットフォーム、Twitter・InstagramなどのSNSに加え、「17 Live」や「SHOWROOM」といったライブ配信サービスでの広告活用も目立ちました。それに伴い、インストリーム広告・インフィード広告・インバナー広告、全ての広告が規模を拡大させ、今後も需要が高まり続けることが予想されます。
【2020年】広告の種類と出稿媒体について
動画広告にもトレンドがあり、媒体に応じて様々な形で活用されています。2020年、特に多く活用されたのが、インストリーム広告・インフィード広告・インバナー広告です。
ここからは、それぞれの特徴について解説します。
■ インストリーム広告
インストリーム広告とは、動画サイトなどの再生画面内で表示される広告のことを指します。様々なサイトやSNSで活用されますが、その代表的なものが「YouTube」です。YouTubeの場合は「TrueViewインストリーム広告」と呼ばれることもあります。
インストリーム広告の大きな特徴は、広告が画面いっぱいに表示されるため、ユーザーに与えるインパクトが大きいことです。特に近年では、動画の冒頭に広告が表示されるだけではなく、動画の途中や終わりに表示されるものも増えてきました。
YouTubeでは、一般的に5秒ほどで広告のスキップが可能になるため、最初の5秒間でユーザーに印象付ける動画を制作することが重要です。
■ インフィード広告
インフィード広告とは、Webサイトやアプリなどで、コンテンツとコンテンツの間に表示される広告のことを指します。FacebookやTwitter・ニュースサイトなどに多く表示されています。
インフィード広告は通常のコンテンツと同じ仕様になっているため、広告に対して拒絶反応を示すユーザーが少なく、クリック率が高いのが特徴です。スマートフォンを利用する人が増えている現代においては主流の広告であり、今後もその枠は増加していくことが予想されます。
■ インバナー広告
インバナー広告とは、バナー広告枠の中に流れる動画広告のことを指します。インストリーム広告とは異なり、動画コンテンツ外のウェブサイトやアプリ広告枠に配信される広告です。普段動画サイトをあまり利用しないユーザーに対しても、ターゲティング配信を行うことができるのが大きな特徴です。一方で、デメリットとして、従来よく活用された静止画バナーに比べ、制作費が高いことが挙げられます。
2020年は、新型コロナウイルスの影響や5Gの普及によって、動画広告市場を取り巻く環境は大きく変化しました。また、「17 Live」や「SHOWROOM」といったライブ配信サービスの台頭もあり、広告や出稿媒体の種類においても多様化が進みました。
今後もYouTubeを軸に、SNSやサイトで様々な種類の動画広告が掲載されていくことでしょう。時代とユーザーのニーズに合った動画広告を制作し、価値を高めていくことが、他の企業との差別化を図るうえで重要になってきます。
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